建築業界ではインテリアコーディネーターはあまり料理をしない人種だと思われています。いつもバタバタしていて真面目に家事に取り組んでいないという不名誉なイメージを持たれているようです。しかし私の周りには先輩も後輩もとてもお料理の上手な人が多いのです。なぜかしら?と考えてみたのですが・・・1.みんなおいしいものを食べにいくのが大好きなのでそれを自宅でも再現したくなる。2.現場や打ち合わせで移動も多く、不規則な時間で働いている中でのご飯づくりなため、恐ろしく段取りが良くなる。3.そしてなにより料理とはある程度創造的な作業であるためコーディネーター魂が刺激される。この3つだと思うのです。段取りを考えながら、出来上がりをイメージし、食材や器を組み合わせていくという過程は私たちの普段の仕事にとても似ているように思います。
私はというと、「料理が死ぬほど好きか?」と言われると「死んじゃわない程度に好き」て感じでしょうか・・・昨晩はぶり大根、水菜のお浸し、しめじご飯と秋から冬に移行する季節をイメージしてコーディネート?してみました。たいがいこんな感じの「京のおばんざい」風な地味な食卓です。
さてかなり以前に雑誌「芸術新潮」で芸術家たちの食卓という特集がありました。巨匠たちの食へのこだわりのエピソードはどれも大変ユニークでした。私の大好きな彫刻家ブランクーシは外食が大嫌いでアトリエの作業台で巨大ステーキをふるまうのが定番だったとか。時には彫刻刀がナイフ代わりに使われたそうです。彼の残した作品の中にステーキをカットした彫刻刀で制作されたのもあるのかしらん?と考えてしまいます。
今の若いアーティストたちの食卓はいったいどんな感じなのでしょう?コンビニ弁当が主食でないことを願いつつ・・・