「音」のアーティストとしてあまりに有名な藤本由紀夫氏。こちらのブログをご覧の多くの方が藤本作品を美術館などで体感されているかと思います。今サイギャラリーで藤本氏の作品が生み出されるまでの習作とも言える1979~2009のメモを観ることができます。
個人的に今まで観た、というか感じた藤本氏の作品でとても印象的だったのは「耳の椅子」・・・これは椅子に座ると耳の位置に長~~い筒がくるようになっており、それを通して空間の音がグワ~~~ンと耳に響くというもの。感じることさえない空気の音を大音響で聞くというのも不思議な体験、かなり楽しめました。
そうそう壁に設置された213のスピーカーから213のビートルズの楽曲がエンドレスに流れてくる作品も圧巻で、忘れられません。壁の前でもうすご~~いとしか言えなかった・・・
その一方でオルゴールを使ったサウンドオブジェや繊細なレタリングによる平面作品にもいつも心をくすぐられます。。。その「心くすぐられる」タイプ??の方の作品が入り口近くでお出迎え。
ねじを回すとゆっくり回転して、中に入った木製のダイスがカラコロと乾いた小さな音を奏でます。
「よ~~く耳を澄まして・・・」そんなメッセージが作品から伝わってくるかのよう。。。
氏の1979~2009のnotesたち。。。今までの素晴らしい作品のイメージソースが全てここにある!と思うと感動してしまいます。ギャラリーの方のお話によるとこれだけ膨大なメモなのに一枚たりとも不完全なものがないんですって!書きとめられる時には全て完璧なイメージとして浮かびあがっているのですね。。。
そしてそこから抜粋されたメモ達が並ぶ展示風景。静寂な空間なのに音が聞こえてくるような・・・
心に深く響いてくる小さな小さな文字。LOVE そしてTEAR・・・
展覧会に寄せられた藤本氏の言葉からの抜粋・・・
メモは私にとっては「楽譜」である。
「何か」のための「楽譜」である。
美術館で藤本作品のファンになられた方必見の展覧会ですよ~!